最近お仕立てしたお洋服 2

  • 過去掲載分
  • 1
  • 2

Dunhill フレスコ モヘア混

Dunhill 英国供給の生地になります。現在、夏生地といえばトロピカル生地が多くなりましたが、かつてはフレスコ/ポーラー生地が多く、専らウールでした。この生地はモヘア混のフレスコとなり、昔の基準でいえばとても贅沢で、今の基準で言えば懐かしい感じのする風合いです。裏も背抜きではなく半裏です。

非常に目付がしっかりしているので、夏生地にしては若干重く感じますが、向こうが透けて見える程に強撚でとても良い夏らしい生地です。今年は欧州が弱いため、非常によい生地が安価に入ります。

Zegna TZ Linen サファリライク

ご注文を頂いた Zegna TZ Linen サファリライクなジャケットです。これも麻服です。胸ポケットx2にボックスプリーツを入れ、腰ポケットはアコーディオン・ポケットです。背中にはベルトが走っています。かなりスポーティです。

更に全てハンド ピックステッチです。ちょっとばかり余分に手間がかかっていますが、カジュアル,タウンで真夏に麻のサファリライクというのも、かなり便利に使って頂けると思います。…なぜか一番右端の写真は右2枚と色味が違いますが同じものです。相変わらず写真は苦手です。

10.7.2

Zegna Linen 100% 三つ揃い

ご注文を頂いた Zegna Linen 100% です。麻服はそれ自体エレガントではありますが、実は素材として非常に水に強い性質があります。そのため、縫製上に工夫を施すと、ご自宅で洗濯することも可能です (ただ、ジャケットは洗った後の仕上げに慣れとコツが必要です)。植物繊維としてはシルエットも奇麗に出て、とても満足です。

この三つ揃いは、縫い目が全て袋縫いとなっており(ズボン内股部分も)、洗濯機がなかった頃の縫製に近いものになっています。昔のジーンズも袋縫いだったのですが、最近のものをひっくり返して見たらそうではなくなっていました。

10.7.1

Dormeuil Supreme / Wool, Mohair

Dormeuil Supreme, Wool & Mohairです。Supremeの名の通り非常に優れた生地で、Mohairでありながら手触りは非常に滑らかです。また、良質のモヘアらしい光沢が強く出ます。裁断/縫製としては前身頃を狭くとり、着用時に胸のボリュームと脇シルエットの奇麗さを両立させる手法をとっています。

10.4.9

ボタンフライ

比翼(fly,フライ)とはボタンを隠す仕立て方法のことで、ボタンフライのズボンとは、ズボンの前立てにチャックではなくボタンを使ったものを言います。

このズボンはお客様のご注文によるもので、ボタン数もサスペンダー用も含めて13個と、かなり大昔の仕様のズボンです。ボタンフライのパンツもかつてはかなり頻繁に見かけたのですが、数年前までにほとんどなくなり、また最近増えてきました。古き良き時代の仕様です。

10.4.6

実寸=上がり寸のニットジャケット

試作品です。ウェスト実寸95cmで、上がり寸も95cmです。本来ならありえませんが、…実は素材が綿混合のニットです。そのため、非常に伸縮性があり、実寸/上がり寸同寸でも快適に着用可能です。紳士服地でニット素材はとても少なく、実はこの生地は婦人服地からの流用です。生地は三星毛糸さんに手伝って頂きました。

そのためお客様にお仕立てすることはできませんものの、来期はもう少し生地を揃えて見たいと思います。ちなみにマフラーは Zegna-Agnona の非常に軽いカシミア混です。…良くも悪くも非常にイタリア製らしい代物です。既に品切れが多く、Zegnaショップで探されると見つかると思います。

10.3.1

乗馬服風のジャケット

お客様のご注文による乗馬服風のジャケットです。今は既に存在しない非常に打ち込みのしっかりした重い生地を使っており、500g/m2はあるかもしれません。ウール100%です。非常に重いので、肩先に加重が分散できるよう、加重の分散をコートに近くしています。そのため、手に持つより羽織った方が遥かに軽くなっていると思います。

なお、4個ボタン2つ掛段返りです。打ち込みのしっかりした生地は、旧来の造形的,構築的なシルエットが奇麗に出ます。相変わらず人台と全くあっておりませんが、それでもシワ,歪みが少なくなります。この人台は40年間使い続けていますので、もうそろそろ退役をお願いする頃かもしれません。

10.2.10

Scabal Luxor

Scabal Luxxuor です。LuxxorはScabalでも高級品に属する生地です。三角台場付裏隠しポケット(手帳止め)があり、脇には汗取りがあります。裏地,ボタンともScabal社供給のもので、生地/付属が全てScabalです。

ご着用は欧州に頻繁に訪れる方で、ロンドンに発送しましたところ税関で故障が入ってしまいました。付加価値税と税関で、ちょっと驚いてしまうくらい税金がかかったそうで、日本はモノに関して、案外税金が非常に安いのかもしれないと思ってしまいました。

10.2.5