危険なストレッチ繊維
危険なストレッチ繊維
ストレッチ素材が最近流行りです。体にぴったりあったフォームを生みますので、主に婦人物パンツに使われています。紳士物のパンツもストレッチ素材は伸縮性があってはきやすいので、しばしば使われます。このストレッチ素材、製法には大きく二種類あります。
一つは繊維の撚り方や織り方を工夫して、素材そのものから伸縮性を引き出す方法です。繊維を非常に強く撚り、バネのようにして伸縮性を出す事が多い。これは工夫と技術に基づくもので、要求する繊維の量が非常に多くなりますので、重くなりやすい上に、比較的高価になります。しかし肌触りは抜群です。
もう一つの製法は、ポリウレタン (polyurethane) を使う方法です。
ポリウレタンは非常に伸縮性があり、反発力、弾性に優れています。この特性から合成ゴムによく使われます。ゴルフボールの高反発素材に使用されたり、発泡剤を入れればウレタンフォームになり、断熱材やクッションに使われます。安価で安定しており、とても扱いやすい。
一般的に、上の製法の両方が使われています。高価なもの程ポリウレタンの使用量が少なく、安価である程ポリウレタンの使用量は多いようです。問題はこのポリウレタンです。ポリウレタンは高熱に反応して致死性の猛毒(青酸ガス、シアンガス)が発生することがあります。大した量ではないようですが、あんまり気分が良くありません。
また、ポリウレタンは非常に熱に弱く、焚火にあたっただけでも、熱の加わり方によっては溶けることがあります。溶けた場合、皮膚に張り付きますので、非常にイヤな火傷になることがあります。
・・・ポリウレタンの品質が維持される期間、現在はだいたい2〜3年です。またアイロンをかけただけで伸縮性が失われる場合もあります。あまり気にする事もないかもしれませんね。