古き良き時代のコート

インバネス

インバネス インバネス2

前回の更新で、30年前後の紳士服の流行について書きましたが、今度はいっその事、日本で100年前に大きくはやった服をご紹介いたします。

インバネス(別名:とんび)はスコットランド由来のコートで、明治40年の後半に広く流行しました。原型は袖がありませんが、袖のあるものも多いです。和服の上に着る事もできます。特徴はケープがあること。

このコート、推理小説好きには、一種独特の意味合いがあります。シャーロック・ホームズのトレードマークと言えば、ディアストーカー(鹿打帽)に、このインバネス。もしシャーロキアンの方が見えましたら、一着いかがです?。この写真ではグレイを使っていますが、チェックももちろん可能です。

角袖

角袖

角袖(別名:大和コート)は変なところで、今に名残が残っています。警察の事をデカと言いますが、一説では、明治期の警察がこの角袖を来ていたからとも言われています。「カ」クソ「デ」を引っくり返して「デカ」との事。あんまり似ていないと思われるのですが、昔の泥棒さんたちは変わった隠語を作り出してきました。「枕」のことを、中国の故事「邯鄲の枕」からとって「カンタン」と呼んでいたそうです。昔の泥棒さん達は、変なところで教養がありますね。

これらの服、もう最近ではお坊さんたちや、呉服屋の方など、着物を日常的に着る方をのぞいては、まず見る機会がありません。一般に着られていたのは、どう見積もってもやはり40数年前が限度というところでしょうか。勿体ないことです。

ところで日本の大手では藤井毛織さんが扱っています。もちろん、テーラーでオーダーすることもできます(インバネス、角袖の型紙を持っていればです。当店にはありますが、もうないところも多いかもしれません)。

最近お仕立てしたインヴァネス

写真: 藤井毛織

2002